ブレ玉の蹴り方
・足首に力を入れる⇐かなり強く
・体幹の傾きを維持
他にも
- 中心を(ボールの芯)を蹴る
- まっすぐ押し出す
など他の蹴り方の説明でもありますが,自分で試した所それだけでは蹴れないという実体験も踏まえて考察した結果,ブレ玉を蹴るには,【足首】と【体幹の傾き】この二つの意識が重要なようです.
あと前提としてインステップに近い部分で振り向く無回転の蹴り方です.
インサイドに近い振り方の場合は少し変わります.
詳しく解説していきましょう.
ブレ玉解説
ブレる理由
詳しい物理的な理由は省きますが,【ブレ玉】はボールの回転数が小さく,ボールへの空気抵抗が安定しない事で起きます.
空気抵抗が不安定でボールの軌道が変化すると,その都度空気抵抗が変わりボールの軌道が変化します.この繰り返しがブレる理由です.
完全な無回転ボールというのはかなり難しいですが,わずかな回転があるとその方向に曲がりながらぶれます.
上の画像では,かすかに右に回転しているため右に曲がりながら落下している様子が分かります.
あとはピッチ上の天候にも左右されます.
追い風,向かい風,左右の風の方向にも大きく影響されます.
ブレ玉になるボールに回転がかかりくい蹴り方
回転を減らす無回転に近いボールはどのように蹴れば良いか?という問題です.
基本的にはボールの中心を直線的に振り抜けば理論上ボールに回転はかかりません.
しかし,無回転を蹴る場合はシュートが多い為ある程度浮かせる必要もあります.
実際にボールを蹴る時の身体の使い方を解説しましょう.
C.ロナウド選手がブレ玉を蹴った時のインパクトの瞬間です.
蹴り脚の軸を股関節と考えます。
軸が一点で止まるとインパクトする足の部分は正円に近い形でスイングされます。
インパクトの瞬間に、軸となる股関節を前方に移動すると足のスイングは楕円になり、インパクトを真っ直ぐに近い状態で迎える事が出来ます。
無回転のフリーキックを得意とする選手のシーンですが,インパクト後もそのまま走りこむように身体がゴール方向に動きます.
この動きは体重をそのまま前方に移行させる事で強いボールを蹴るという意味合いもありますが,蹴り足のスイング軌道を変化させインパクトを直線的に行えるというメリットもあります.
回転をかけてボールを曲げて落とすフリーキックが得意な往年の名選手のキックシーンです.
助走が直線的かどうかもありますが,軸脚をしっかり踏ん張って身体を止める事で助走のエネルギーを脚の振りに変換しています.
直線的な助走を取る場合より軸脚がボールから離れ水平面での回転成分が大きくなる事が分かります.
ブレ玉を蹴る足首の固定
上の動画は,普通の回転系のボールを蹴ったインパクトの様子です.
下の動画は,ブレ玉を蹴った時のインパクトの様子です.
一瞬の物で判断が難しいですが,上下の動画で違いがあります.
上下とも強くボールを蹴っている訳では無いので特徴が現れにくいですが,それでもなお決定的に違うトコロがあります.
それは【右手首】です.
もともとC.ロナウド選手は手首を真っ直ぐなるように力を入れてボールを蹴る選手ですが,下の無回転を蹴る意識では手のひら側に大きく曲がっています.
この『手首の向き』は爪先立ちのよう(底屈)に足首に強く力を入れたときに,神経の働きでその【力み】が反映されている物です.つまりかなり強く足首を固定しているという事です.
試合でのフリーキックでも同様に手首が曲がっている事が分かります.
このキックにかなり慣れている選手でも,手首が曲がるくらい足首に力が入っているという事なので,一般のプレイヤーではそれ以上に強く足首の固定を意識する必要があるでしょう.
体幹の傾き
また二つのフリーキックを見比べてみましょう.
ベッカム選手のキックでは身体が起き上がって,ほぼ垂直に体幹が位置します.
C.ロナウド選手のフリーキックではインパクトで体幹が前傾している状態になっています.
無回転のフリーキックを蹴る選手では半数くらいの選手が体幹を深く前傾しています.
体幹の前傾角度は,蹴る強さ,距離,狙う場所によっても変化すると考えられますし,結果的に無回転になったフリーキックもあると思います.
体幹の前傾が無回転を導く理由に考察は必要ですが,私自身がこの意識で無回転になる率は上がったので共有を含めてまとめてみました.
コメントをお書きください
100 1- (月曜日, 04 7月 2022 21:43)
動画を見てわかった気がした
松田幸太郎 (水曜日, 08 2月 2023 14:50)
スゴイ分かりやすかったです