- 骨盤の矯正
- 背骨の矯正
- 小顔矯正
よくある治療院に行くと必ずと言っていいほど,言われる言葉です.
「骨盤や背骨のずれが腰痛や体調不良の原因になっている」
「矯正で治せば体調は良くなります」
という説明.
これ嘘です.
正確には嘘ではないかも知れません.
言っている人が‘正しいと思い込んでいる’なら嘘ではありません.
但し,真実ではない.
知識が少ないのでそのような結論しか出せないということでしょう.
これには根拠があります.
陸上100m世界記録保持者である,ウサイン・ボルト選手は背骨の側彎があります.
*画像はNHKより
NHKでも取り上げられるほど有名な話ですが,この話をする治療家はいません.
側彎を矯正する,背骨の歪みを治す技術が無い!
と言ってしまうのと同じだからです.
もちろんボルト選手には,身体のケアをするトレーナーやカイロプラクターがいます.
世界一の選手についている人物ですから実力は確かでしょう.
そのようなケアを続けているのに側彎があるのです.
そういった人物でさえ背骨の歪みを矯正することは出来ないという事です.
現在のところ,‘骨格を矯正する’
整体やカイロプラクティックの技術はない!
では,そのように‘骨格が強制された’ように見えるのはどういうことか説明します.
例えば,小顔矯正.
小顔矯正で Before と After がありますが,
横幅,つまりフェイスラインは細くなったように見える画像がありますが,
縦に短くなった画像を見たことがありますか?
骨格が強制出来るなら,縦方向も短くしないとバランスが悪くなりますね.
フェイスラインが細くなるのは,ほぼ顔のむくみがとれたものと考えて良いです.
そもそも手の力で頭蓋骨の関節が動くなら,
大きな外力,つまり自動車事故や転落時に関節が脱臼してもおかしくないですが,
頭蓋骨脱臼と言うのはまず聞きません.
一般の方が分からないのをいいことに騙しているか,知識が乏しいだけです.
他には,
- 足の長さが左右違う
- 体前屈をして身体が柔らかくなった
というのも良くありますが,
足の長さは骨盤を少し傾ければ差が出ますし,
身体の柔らかさは少し身体を触れば変化します.
こういったのを上手くマジックのように見せているのです.
マジックにもちろんタネはありますから,
根本的に骨格を矯正したり,
歪みを治したりということは出来ていません.
骨格の歪みはどこまで影響するのか?
骨格の歪みは身体に影響します.
脊柱管狭窄症やすべり症は最たるものです.
大きな側彎があれば,呼吸機能も減退します.
これは事実ですが,自分自身すら気づかないような
小さな歪みや左右の非対称は,ほとんど身体に影響しません.
かくいう私も側彎があります.
しかし,それで体調が悪いと思ったことはありません.
もともと人体は,左右非対称のものも多いのです.
心臓は左に,肝臓は右に.
胃や,すい臓も左右非対称のつくりですし,
気管支,肺も左右で作りが違います.
脳の働きも左右で違えば,利き手や利き足もあります.
その状況で左右の骨格が完全に対称という事自体が無理があると思いませんか?
本当に大事なのは,曖昧模糊とした
身体の歪みではなく,
身体の造りに則った痛みの原因を考えてあげることが大事です.
一度しっかり身体を見直してみるのもいいかもしれませんね.
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