肩こりは筋肉のせいではない!
肩こりに悩まされている人は多いと思います.
肩こりの体操などの調べると色々なやり方が出てきます.特に肩甲骨周りを動かすものが多いようです.肩甲骨に限らず首や固周りを動かすと肩こりは一時的に楽になります.
肩こりの原因をいつまでも筋肉だと考えていると一時的に楽になるだけで根本的な解決にはなりません.
ついつい肩こりだからと放っておく人もいるみたいですが,そのままだとどんどん悪化するかも知れません.
腕の痛みや痺れまで悪化しないようにするにはどうしたら良いか?何をやってはいけないのでしょう?
肩こりとはどこからの痛みかを考えてみましょう.
首の構造を基にセルフケアと日常生活の注意点をまとめてみます.
セルフケアだけ知りたい方は下の方まで読み飛ばしてください.でも絶対全部読んだ方がためになります!
予防にもなりますので是非参考に.
肩こりの出所,首の構造は?
首の骨は骨格図の赤い部分で,椎体が7個ありそれぞれの間に椎間板があります.
そして↓の図のように骨の間から横前方方向へ黄色い線で表してあるように神経が出ています.
この神経は首の骨から出たあと,頭から首・肩回りの筋肉に到達して,長い物は指先まで伸びていきます.
首の骨は関節の形により横を向いたり前後に倒す動きに適しています.
肩こりの原因?ストレートネックとは?
通常,頚椎は少しだけ前に反って(前弯して)います.この状態が保たれる事で本来の身体の機能は保たれます.
しかし普段の姿勢が悪いと,この前弯がなくなり首の骨の並びが変形してしまいます.
首の骨がまっすぐなった状態を ‘ストレートネック’ と呼び,なかにはこれがさらに進行して前に曲がってしまう人もいます.
上のレントゲン写真では前弯が完全になくなり,首が前に曲がっている事がわかります.
首が前に曲がるとどのような事が起こるかというと,首の反りが無くなる事で,首の中を通る神経は,相対的に【後ろ側】に移動する事になります.
下の図は頚椎の水平面を表しています.上が前方で下が後方になります.
首の神経(下図,黄色の斜め上に伸びている構造物)は,中心から枝分かれした後『斜め前方』へ伸びているため,おおもとの神経の幹(黄色の塊)が後ろへずれると枝分かれした神経も後方へ引っ張られる事になります.
頸髄症など,首で脊髄を圧迫する疾患に対して,圧迫している骨や構造物を取り除く手術の後に,首の5番目あたりの神経麻痺を起す事がありますがこの神経の牽引が因子です.
5番目に多い理由は,首がちゃんと前弯している場合,5番目の骨が本来一番前に出ています.
そうするとここがストレートネックなどで相対的に神経が後方へ移動すると,もっとも引っ張られる事になるためです.
*下図の赤矢印と黄矢印の差
首の変形が肩こりになるわけ
首の変形が最も起きやすいのが首の5番目です.
首の5番目からの神経は,肩回りから腕に伸びており,首の部分で圧迫や引っ張られるストレスを受けると,肩こりや肩の痛み,腕の痺れになります.
先ほど説明したように5番目の神経がもっとも引っ張られるようになる事が一番の因子です.
神経が引っ張られたり圧迫される事で痛みが出る理由については☞神経リリース 概説
で詳しく解説してあります.
神経の障害がひどくなると腕に力が入らなくなったり,ひどい五十肩になる可能性があります.
肩こりは筋肉が原因か?
首回りの神経がどこを通っているかの模式図です.
黄色い線が神経の通り道を表していますが,頭の下の方から首,肩の部分まで,肩こりで痛みが出る場所と似通っていますよね.
これだから神経が原因だとは言えませんが,筋肉だけと考えるよりは妥当性があります.
☞腰痛の原因を解説したコラム でも説明しましたが,筋肉とは刺激を与えてもあまり痛みを感じにくい構造をしています.
筋肉が痛みを感じるのは,神経や血管が筋肉の中を通っている場所なのです.
筋肉が他に痛みを感じる時は,血流が乏しい状態で働こうとした場合です.デスクワークが続いたときなどの肩こりはこれに当たる可能性もありますね.
肩こりを考える上で重要なのは,普段肩こりがあるとか首が痛いという人が症状を放置すると,この首の変形が進んでしまい,頸椎症や脊髄症を招きかねないという事です.
また,五十肩だからと言って肩ばかり治療していてもなかなか良くならず治らないという事になります.
身体の不調は様々ですので,その原因をしっから見極めて対処する必要があります.
肩こりの理由まとめ
- 神経の圧迫や引っ張られるストレスが関係する
- 首の変形があると神経のストレスが大きくなる
- 筋肉による痛みも一定の条件である
肩こりの対処法
今までに説明した内容に沿って対処法も考えましょう.
神経へのストレスを解消する必要があります.
神経へのストレスは,【圧迫】と【引っ張られる】物があります.神経の『揺変性』を考えれば【動かない事】もストレスとなります.
圧迫のストレスは,
- 骨格による物
- 筋肉による物
があります.
肩こりになる骨格のストレスへの対処
【骨格による神経へのストレス】は普段の姿勢が一番影響します.
これは普段の姿勢を正すしかないのですが,首の下,つまり土台になる【胸椎】がしっかりしていないと姿勢は直せません.
胸椎が曲がった姿勢だと,首の付け根は前に倒れる事になるので首の神経が圧迫されやすくなります.
この胸椎を正すエクササイズが↓になります.
おススメのエクササイズです.
ボール状(テニスボール程度の大きさ)のモノを背中に置いて
- 深呼吸
- 腕の上げ下ろし
- 背中を左右にゆする
してみてください.画像では倍速になっているので,ゆっくりやってもらうとリラックスも出来て良いですよ.
背中に置いた物を外して仰向けになると背中がすっきり伸びた感覚が分かります.
当店での使用しているバーもご注文可能ですので,ラインやお問い合わせからご連絡ください.
もう一つは胸椎と頚椎の接続部分の可動域を改善させる事も大事です.
普段丸くなっているので,この部分がとても固くなり動きにくくなっている人がとても多いです.
ここが固くなって動かないので,5番目あたりに動きが集中して変形が起こるパターンが考えられます.
アゴが挙がらないようにするのが大事です.
もう一つはなるべく胸が床に着くようにしっかりうつぶせの姿勢を取る事です.
痛みのない範囲でやってみてください.
筋肉による圧迫への対処
筋肉による圧迫は,筋肉が短くなる事と筋肉が収縮する事で起こります.
筋肉が短くなった事についてはストレッチが基本的な対処方法になりますが,筋肉が神経を圧迫するまで短くなっている事はほとんどありません.
筋肉が収縮して圧迫する場合についても,姿勢の影響がほとんどです.デスクワークで頭が前に出ている姿勢など,首から上の重量は体重のほぼ10%になるので軽くても4㎏以上になります.
4㎏を常に支えているとなると筋肉が収縮したままで圧迫を受けたり,血流が悪くなり痛みを感じる事になりますが,これを修正するのも基本的には姿勢を正す必要がありますので上記の骨格による圧迫への対処が重要です.
神経が引っ張られて起こる肩こりの対処
神経が引っ張られる理由も骨格が理由とかぶる部分もあります.
最初に説明したように,頚椎の前弯が無くなると神経は引っ張られますので骨格の要素も影響します.
ただ,少しだけ伸ばされるような状態であれば,充分神経に『長さ』や『柔軟性』があれば引っ張られるようなストレスにはなりえません.
これは神経を伸ばしてあげるようなエクササイズで改善します.
これを【神経フロッシング】と呼んでいますが,具体的なエクササイズは↓です.
手のひらを反らせるようにする事が大事です.
手を後ろにもっていっ突っ張りがひどくなければ,首を手と反対方向に倒してエクササイズしましょう.
この時,一定の位置で留めない事が大事です.【フロッシング】とは動かし続ける事を意味して動かす事に改善する理由がります.
別で詳しく説明してますが,神経は少しの負担で鬱血が始まり障害が起きます.
いくらエクササイズと言えど,引っ張るストレスを与え続けた状態を保持するのは好ましくありません.
一般的なストレッチとは違い,動かし続けるようにしましょう.
肩こりのために日常で気を付ける事!
ここからは日常の注意点です.
一番大事なのは姿勢です.
日本は諸外国のなかでも,1日に座る時間が長いと言われます.
デスクワークや携帯・スマホをみる姿勢は,どうしてもうつむき加減になり首が曲がった状態となります.
立っていてもお腹の力が入っておらず,腰が反って肩が丸くなり首が下がった姿勢の人が大半です.
肩甲骨を後ろで寄せて,胸が上を向くように意識しましょう.
ついつい姿勢を良くしようと,腰を反らせる人がいますが大事なのは腰の部分ではなく,
肩甲骨の位置であることを忘れないでください.
この姿勢を保つのは,ある程度筋肉を働かせておく必要があります.
本来姿勢を保つために筋肉は働いているのですが,楽な姿勢に慣れることで筋肉を働かせず,骨や靭帯で体重を支えてしまっています.
腹筋を意識するには,
- 深呼吸をしてしっかり息を吐き出す
- プランクの姿勢でしっかりお腹を引っ込める状態をキープ
- 普段からお腹が出ないようにしておく
ことが必要です.
また肩甲骨の高さでの背筋は,
- 肩甲骨を後ろで寄せる
- 胸を上に向ける
ことが重要です.
もう一つ姿勢で言うと,あごを引くことです.
図のように指で支えてあげると正しい姿勢が意識しやすいです.
あとは普段首を反らせ過ぎないように注意してください.
首を反らせると5番目あたりには大きな負担となります.
うがいをしたり,上を見上げる際は注意しましょう.
一部同じ内容になりますが,☞肩こりや猫背に悩んでいる人に!その理由と対処法 も参考にしてもらえると良いと思います.
肩こりや五十肩に隠れた原因がある可能性があります.
しっかり身体の状態を見極めてケアをしましょう.
姿勢を意識することは,頸椎症だけでなく,
腰痛の予防やダイエットにも通じます.
ぜひ普段から姿勢を意識してみましょう!
自分で姿勢を治すにはコレ↓
使ってみれば姿勢への意識が変わる!
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