バッティングにおいて ‘ローリング’ という動きがあります.
バットを軸にして前方にまわる回転のことです.
バッティング時のヘッドスピードや軌道だけでなく,このローリングもバッティングのパフォーマンスを左右すると言われています.
ローリングは前方に回転しているので,インパクトの瞬間にボールには逆回転の力が加わります.
打球は速度が一定でも高速度のバックスピンがあれば,
飛距離が伸びることがシミュレーション分析によって明らかになっています.
これは,投球時のスピン速度も影響しています.
この回転の速さが,‘重い球’や‘軽い球’ という球質の因子ではないかとしている専門家もいます.
バッティングにおいてこのローリング速度が大きいほど打球の飛距離は伸びる事になります.
‘ローリング’ は バッティングのパフォーマンスを求めるうえで非常に重要なのです.
出典:MIZUNO Corporation http://www.mizuno.jp/baseball/swingtracer/8swing/
では,このローリング速度を大きくするためには何が必要なのでしょう??
プロ野球選手を対象にローリングの速度を計測した研究があります.
この実験ではヘッドスピードとローリングの速度の関係性にほぼ影響はないとしており,ヘッドスピードが向上しなくてもローリング速度が向上させることが出来れば飛距離が伸びる可能性があります.
人の身体の構造から,バットスイングをすると基本的に前方へのローリングが働きます.
しかし,ローリング速度が小さい人は引手と押しての作用で前方へのローリングの力を相殺してしまっています.
必要なのは押しての肘を伸ばす力を意識することと,引手の手首を上に向ける力を小さくすることです.
インパクトの約0.05秒前に,バットがキャッチャーを向きバットの軸と肘の曲げ伸ばしの軸がほぼ平行になっていることも重要です.
これはバットにスイングプレーンに沿っている事になります.
スイング中にバットがスイングプレーン上にあることはバッティングのパフォーマンス向上と相関することも知られています.
また,スイングプレーンに沿うために,その時までに急激にバットを倒していくことでローリングの速度を高められます.
バッティングを科学的な目線でひも解いていくとそれぞれの関節の動きを意識することでパフォーマンスの向上が期待出来ます.
ひとつひとつチェックしてスイングを見直しましょう.
スポーツパフォーマンスの向上,スポーツ障害予防にはバイオメカニクス
石川県金沢市 スポーツ・身体のケア
Sept. Conditioning Lab. 㐂楽
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