【走る】という事は,スポーツをするに当たってとても重要ですね.
少しでも速く走るためにはどうしたら良いか?
・スポーツで頑張りたい方!
・子供に走り方を教えてあげたい方! へ
走る動作はその他の動作にも応用されますし,走る速さがスポーツをする上で競技力を決める種目もたくさんあります.
速く走るためにはどうすれば・・・?
色々なことが言われていますが,実際人が走るときに速い人と遅い人で走り方はどう違うのでしょうか?
そこで速い人と遅い人の走り方を比べて,速く走るための課題を説明したいと思います.
走り方を比べた研究の一例
ある研究では高校2年生の男子生徒を集めて,
- 速い
- 中間
- 遅い
3つのグループに分けてその走るフォームを比べてみました.
3つのグループで身長や体重に差がなく影響はありませんでした.
その結果,
走るのが【中間】【遅い】グループとも【速い】グループと同じようなフォームにするには,
- 地面から足が離れた後すぐ膝を曲げて,脚を前に降り出す事
- 振り上げた膝を高く上げる事
が必要でした.
また【中間】のグループの人は,
- 地面に着いている脚の膝を曲げすぎない事
- 身体を前に傾け過ぎない事
も重要です.
さらに【遅い】グループの人では,
- 身体に対して足を前に降り出さず,身体の真下に着く事
が大事です.
陸上競技の短距離走者では,膝の上げる大きさに走る速さは関係なかったとする論文もあります.
これは,『競技者では一般の人より膝の上げる角度が充分に大きい』ため,影響していないのだろうと考えられています.
今回のような一般の人では,速い人のグループの方が膝の上がる角度が大きかったのです.
短距離選手のジョグの走り方
ジョグの注意点も書いておきます.
この注意点はそのまま全力疾走でも同様です.
一般的なジョグの場合,上の図のように右脚が着いた時に反対側の脚は身体の後ろ側にある事が多いです.
短距離選手のジョグをしっかり観察すると,↓のように片方の脚が地面に着いたとき一方の脚は身体の前に出ています.
これはいち早く膝を挙げるイメージがあるからです.
この膝を挙げる動きが,速く走るコツになります.
もちろん,速く走るにはこれだけで良い訳ではありません.
体の安定や,腕の振りで重心の動揺を最小限にすることも必要です.
しかし,それには身体の協調性を見直さなければならないので,もう少し先の話になります.
手っ取り早くフォームの向上点を指摘するとすれば,
- ・膝を前方にすばやく挙げる事
- ・身体を前に傾け過ぎない事
が速く走る近道でしょう.
少しでも速く走りたいと考えている人,
子供たちに走り方を教えてあげたい人,
是非,参考にしてください.
*このコラムは,西村 三郎 他:一般男子高校生の短距離疾走能力に応じた技術的課題の検討. スポーツ教育学研究,36-2,pp1-14. を参考にしています.
石川県金沢市 健康・スポーツのケア
Sept. Conditioning Lab. 㐂楽
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