人が1日に活動している時間のなかで,65%の時間を座って過ごしています.
この座っている時間と普段の活動量は,腰痛と関係があると言われています.
特に日本人は座っている時間が特に長く,1日に7時間座っています.
そして,デスクワークをしているほとんどの人は座りっぱなしだそうです.
座位行動の科学 日健教誌,2013より
各国の座位時間の比較
It's my style : http://www.okamura.co.jp/ims/より
座っている時間が長く,普段運動する機会が少ない人は慢性的な腰痛が多いと言われています.
この原因については言及されていませんが,痛みの起こり方として考えるといくつかその理由はありそうです.
まず,同じ姿勢が続くと炎症を起こしている関節は神経が過敏になり,痛みを感じやすくなります.
臨床家の人も良く経験するでしょうが,朝の痛みや動き始めの痛みはこれも関与しています.
血流の問題もあります.
筋肉というのは本来,物理的な刺激に対してはよっぽど強い刺激でないと痛みとして感じません.
しかし,血流が悪く酸素不足の状態で筋肉が働こうとすると痛みを感じるようになっています.
動かないでいることで血流が悪くなり痛みを感じてしまうことになります.
また,運動すると神経や化合物の働きで痛みが抑えらえることもあり,運動の機械が少ない人に痛みが多いという理由も納得できます.
座っている姿勢そのものにも痛む理由があります.
実は座っている姿勢というのは,まっすぐ立っているより椎間板への負担は大きくなります.
椎間板はもともと痛みを感じにくいのですが,加齢や日常の姿勢などで水分が失われ‘変性’すると痛みを感じる神経が伸びてきます.
このため座って椎間板に圧迫する力がかかると痛みを感じます.
では,具体的にどのようなエクササイズが良いのでしょう?
動かないでいることに問題があるなら動いてあげること!
エクササイズの種類は問いません・・・
と言ってしまうのは,あまりに不親切なので.
座ったままで簡単にできるエクササイズは,骨盤の運動です.
座ったまま,おへそを前に出したり後ろへ下げたりするイメージで,骨盤を動かします.
始めは小さな動きから徐々に大きく動かします.おへそを後ろに下げる動作は控えめにしましょう.
次は,座ったままで膝の挙げ降ろしです.
股関節の前についている筋肉のエクササイズです.骨盤を'立てる’のに腰の筋肉ばかり使うと,疲労による筋肉の痛みがでます.
股関節の前の筋肉を使うことで骨盤の位置を整えます.
ただし,筋力というより使いかたという問題もあるので,膝を挙げるのと同時におへそを前に出すように練習してみてください.
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