クラビズム11月号に掲載していただいております.
肩,膝,腰の痛みや体型に対するお悩みに対して専門家としての回答しました.今回は姿勢と身体の関係にこだわって紹介しています.
姿勢は日常の全ての時間に関わるため.身体への負担は非常に大きいものになります.
頭の位置は首の関節や肩回りの筋肉に負担をかけ,腕のしびれや肩こりの原因になります.
頭の位置は,背骨の胸の位置(胸椎)の曲がり具合に影響を受けます.胸椎はもとから前に少し曲がっていますが,普段のクセやその周囲の背筋が弱くなったり,働いていないと胸椎の曲がりがひどくなります.この胸椎がしっかり伸びないことで肩こり,首や背中の痛みが出ている人が非常に多いと思います.
胸椎が曲がると肩甲骨の動きも小さくなりいわゆる‘五十肩’にもつながります.
立っているときに,腹筋の働きが不十分であったりお尻の筋肉がしっかり働いていないと,骨盤が前に倒れてお腹が前に出た姿勢となり背骨の腰の部分(腰椎)に負担がかかります.
この姿勢が続くと,背骨の変形や靭帯が厚くなり,脊柱管狭窄症や腰椎分離症,背骨にズレが起きる腰椎すべり症につながる可能性があります.
座っていて背中が曲がっていると,骨盤は後ろに倒れ,腰椎から胸椎も丸くなります.この状態では腰椎の椎間板は圧迫を受け続け,椎間板の水分は減少していきます.椎間板は徐々にもともとの状態ではなくなり(変性),少しのストレスでも痛みを感じやすくなったり,力学的な負担に弱くなりヘルニアを引き起こしやすくなる可能性もあります.また,腰の筋肉も引き伸ばされた状態のため,血流が悪くなり腰の筋肉がもとで腰痛を引き起こすこともあります.
お尻の筋肉が働かず股関節が内側を向いていると,骨盤の傾きも変わりますし股関節自体の安定性にも変化があります.股関節は本来ボールとカップの形状をしており体重を支えていますが,本来の位置と違う場所で体重を受けたり関節が安定しないと股関節の変形を生じる可能性もあります.
さらに,膝が内側を向きます.爪先が前を向いていると膝の関節が捻った状態で体重がかかり,膝の変形や痛みを生じやすくなります.また,その状態では,足首が内側に倒れ足の内側ばかりに体重がかかります.そうすると,偏平足や外反母趾につながります.
また,姿勢が悪いということは日常的に筋肉を使っていない,エネルギーを使っていないということですから,悪い姿勢でいることが肥りやすい状態を作っていることにもなります.良い姿勢をキープ出来ればそれ自体がダイエットにもつながります.
足の変形が,膝や腰に影響することもありますし,逆もまた然りです.姿勢が崩れている原因をしっかりみてそこにアプローチしないと,姿勢が悪いのは分かっているがなかなか直らないということにもなりかねません.
原因をしっかりみて治すべきところを考えましょう.
石川県金沢市 スポーツと身体のケアなら Sept.㐂楽
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