今回はスポーツをするにあたってケガとその要因がどのようなものかを考えます.
それがわかれば,スポーツでのケガの予防にもなりますし,より早く競技に復帰できる可能性があるからです.
要因をそれぞれ見ていきましょう.
- 練習と試合ではどちらでケガが多いのか?
試合でケガが多い
練習ではシーズン開始の4週間でケガが多い
練習より試合の方が,プレイがハードになりやすいためと考えられます.
小学生から中学生,中学生から高校生,こういった年代が変わるときの最初の4週間は練習方法や練習量の変化からケガが多くなると考えられます.
- プレイする環境でケガに差はあるか?
天然芝より人工芝でケガが多い
シューズと地面の摩擦が大きいとケガが多くなる可能性がある
人工芝でケガが多くなるという話は,Jリーグで活動しているトレーナーも同意しています.実際Jリーグで使用するスタジアムは天然芝が義務付けられています.
靴も人工用,天然用でわけて用意されています.それぞれ使い分けがケガの予防になります
- 足首のサポーター,テーピングの使用はケガを予防するか?
捻挫の予防効果がある
よく発生する内反捻挫のリスクが減少します.関節の動きは制限されるため上手に使うことが必要です.
- 以前のケガは影響するか?
過去のケガは同様のケガが起きる可能性は大きくなる
ケガによる筋力の低下・感覚の鈍さ・不安感などから,同様のケガが発生する可能性があります.捻挫がクセになるという所以もこのあたりにあります.しかし,リハビリテーションをしっかり行うことで同様のケガを予防できるとされています.
- 靴の形状でケガに差はあるか?
大きな差はない
ポイントがエッジ状になっているスパイクでは,膝前十字靭帯の損傷が多くなる可能性がある
エアークッションを用いているシューズでは,足首の捻挫が多くなる可能性がある
人工芝とエッジ状のポイントの組み合わせや,足首の捻挫をしたことがある人は注意したいところです.
- 関節の柔軟性はケガに関与するか?
関節が緩いとケガが増える傾向はある
男性では足首が固いと足のケガが増える
ここで言う関節の柔軟性と,筋肉の柔軟性は別物と考えます.関節が緩いと全体的にケガが増える可能性があります.これは経験則ですが,足首が固い人は捻挫をすると重症化する印象があります.
- 筋肉の柔軟性はケガと関係あるか?
男性の場合,筋肉の柔軟性が乏しいとケガが増える可能性がある
特に,腸腰筋という股関節の前の筋肉が固いと膝障害が多く,腓腹筋というふくらはぎの筋肉が固いとアキレス腱炎になる可能性が大きいとされます
股関節の前のストレッチはあまりされないので注意したいところです.
- 足部の形状はケガと関係するか?
アーチが低くても高すぎてもそれぞれ痛みの原因となる
Risk Factors For Lower Extremity Injury ~A Review Of The Literature~
という論文を参考に,ケガの可能性が大きいものを挙げてみました.
何が原因でケガが起きるのかが分かるとケガの予防も出来ます.
ケガを予防することが出来ればスポーツのパフォーマンスを落とすことなくトレーニングに打ち込むことが出来ます.
ケガの予防を積極的に考えてみたい,ケガから少しでも早く競技に戻りたいときの助けになればいいですね.
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